こんにちは、料理に相当な時間を使い始めて3年程が経過した男です。
今まで数百皿作って3年前のフォルダを見返すと見違える程変わったなと思います。
私はアマチュアであり、もちろんまだ初心者の域ではあるのですが当初の「入門・ド素人」のレベルは脱出し、人にも最低限振る舞える料理が出来るようになったかと思います。
そこで今回は3年間・数百皿作り私が気づいた脱料理初心者への道をこれから料理に取り組んでいきたい方向けにまとめました。
Contents
初心者上達へのロードマップ
どのような学問やスポーツでも上達への道標(ロードマップ)は必要となります。そもそも料理の上達とはなんでしょうか?
スポーツや勉強と異なり料理はレシピ本は多く発売されていますが料理自体の腕前はどう定義されるかわかりづらく努力が非効率になってしまいがちです。
ここでは料理の腕前を5つのコアスキルに分解し、各コアスキルについて上達の道標を記します。
ここで定義する料理のコアスキルとは以下の5つです。
- 火入れ
- 包丁
- 素材
- 味付け
- 盛り付け
基本的にこれら5つのコアスキルが上昇し、組み合わせが出来るようになることを料理の上達と定義します。
火入れ
まず何よりも重要かも知れない火入れです。
火入れの良し悪しが明確に可視化される厚切りステーキのみならず、野菜炒め、煮物なんでも実に重要です。
例えばもやし炒めは60~90秒程度さっと火入れ、キャベツは分厚い芯と葉はフライパンに入れるタイミングを分ける、煮物は「ふつふつ」(ふつふつってなんだよ!)というように火入れは料理の良し悪しを分ける根幹です。この火入れが出来ないことには冷菜を除き、他のピースを間違えなくても美味しく仕上げることは極めて難しいです。
初心者が火入れを上達させるにはやはりジャンル別に動画を見る・一流シェフの解説を読む・聞くによってベストプラクティスを仕入れ、その後は経験・繰り返しの味見で火入れと食感・味の関係を自分に馴染ませるとよいでしょう。
注意点はクックパッドやクラシルなどの初心者向けレシピサイトではこの火入れのコツは大きく欠落していると思います。
一流シェフの料理本が私としては最も参考になりました。
炒め、煮物、グリルなど全てにポイントが存在します。目で観察、頻繁な味見によって温度により料理がどう変化するのかの感覚を馴染ませて下さい。
また迷信も多く混乱するのが火入れでもあります。例えばステーキは表面を焼き固めて肉汁の流出を防ぐという方法がありますがあれはニセです。
また野菜炒めは強火であればあるほどよいなど様々な迷信が存在します。
ぜひ火入れに関する情報は一流シェフの言葉を参考にして下さい。
火入れさえうまく出来れば後は塩でもかければうまいです。本当です。
火入れの上達に終わりはない、永遠に火のコントロールを学びましょう。
参考リンク:
包丁
簡単なようですごく難しい。ここでの包丁とは2つの意味があります。
一つは包丁さばき、狙った通りにコントロールし綺麗に切るという能力。
そしてもう一つは素材を正しく切り出す能力です。
包丁さばき
特に魚をまるごとさばくときに腕前の良し悪しは料理の出来栄えに直結します。
最初のほうは綺麗に刺し身を作ることすら難しいと思います。
初心者の間は魚をこね回してボロ雑巾のような刺し身を作ってしまうのは通過儀礼でしょうか。
プロの動画を見て正しい握り方、フォームを知り刃のコントロールを学びましょう。
また、よく切れる包丁を揃え研ぐことも欠かせません。魚をさばく場合は必ず出刃包丁・柳刃包丁は用意しましょう。
包丁さばきも火入れと同じく終わりはありません、常に上達し続けて面白いのが包丁さばきです。
熟練を目指しましょう。
素材の切り出し
ステーキや鮨、外で食べると筋もないし綺麗ですよね。
あれば素材がそもそもよいだけではありません、塊の状態から適切な部分だけを切り出しているのです。
鮨も身の腹側・背側、よりこだわるなら上身・下見も使い分けるなど鮨に最高な部分を見極めて切り出しています。
特に初心者にこれは肉も魚も相当難しい、身を見て触って「ここを鮨ネタ用に1cmの厚みで切ったらうまい」「この肉のこの部分はこういう食感だろうからこう切る」と判断する必要があるのです。
鳥のもも肉の部位別の違いのような基本的な違いは本で学べますが、最終的にはこれも自分で切り出して部位毎の違いを確かめるしかないですね。
「もも肉」と一口にいってもあの一枚の中で全然違う種類の肉が混在しています。切り出しに敏感になりましょう。
素材選び
まず、献立に使う素材を選びましょう。全てはここからスタートです。ここでの「素材選び」についても使う素材選び・調達ルート開拓・組み合わせという3つの要素に分ける事ができます。
野菜・加工食品中心にしつつ徐々に拡張
特に初心者の内は良質な素材の調達経路が未確立な場合が多いと思います。
そこでおすすめは良質素材の入手が困難な肉・魚を避けて野菜や豆腐・こんにゃくなどの加工食品を中心に使っていくことです。
うまくない肉をどうにかする方法はもちろんありますが、「ウマい!」となるのは特に肉・魚の場合、やはり良質な素材からスタートしないとかなり難しいように感じます。
もちろん野菜も良し悪しはありますが、比較的スーパーで買った素材でもうまく作りやすい気がします。
加工食品てなんだよ、と言われそうですがこんにゃくのピリ辛炒め、湯豆腐からでも学ぶことは多くあります。特に出汁のとり方は最初にマスターしたいことの一つです。
これが動画サイトの場合残念なのが顆粒だし、めんつゆ、マヨネーズなどが頻出し料理を追求する楽しさを知るというよりお手軽にジャンクな味に偏ってしまう点です。
追求の楽しさを知りたいという方針でしたら全ての土台となる出汁のとり方は妥協するべきではないですし、とりあえず昆布・かつおから出汁を取るのは難しいことではありません。
調達ルートの拡大
料理は素材から、スーパーで買うのみならず全国の産直や仲卸との取引が可能になれば料理のレベルは格段にアップします。
スーパーの素材のみからでは上達に限界があります。調達ルート開拓も熱心に行いましょう。
想像を働かせ素材を混ぜる
最初のほうは伝統的な基礎レシピに乗っ取り作ればよいかと思いますが徐々に自分のオリジナリティを出したくなると思います。
そうすると味付けのようにこれとこれを混ぜたらどのような味になるだろうか、と自分の頭でシミュレーションして組み合わせるとオリジナルレシピ作れるようになります。
この頭でシミュレーション能力が身につくとレシピの自由度・オリジナリティが格段に上昇し晴れて脱初心者です。
この素材とこの素材を合わせ、こう火入れ、味付けしたらこの味になるだろう、というシミュレーション能力こそ料理の腕前を決定付ける能力の1つと言えます。
失敗も多くなると思いますがここからが料理の楽しい部分です!レストランに言って学び、それを自宅でやや素材を変えてみたりして再現。
伝統的なレシピでも崩してみたり、アレンジしたり、このシミュレーション能力が料理におけるオリジナリティ発揮の基礎能力です。
これがないと戦略なき失敗を繰り返すことになります。
味付け
料理の腕前、というと味付けにフォーカス集まりがちな気がしますが料理の腕前を構成する1要素でしかありません。
味見しながら進めば恐るるに足らず。勿論重要な要素ですので軽視すべきではありませんがここだけにフォーカスしてはいけません。
良い素材、良い火入れ、良い切り出し、があれば醤油ぶっかけるだけ、塩かけるだけで十分うまいのです。
そもそも醤油や味噌などうまい調味料で溢れています。
特に初心者の内は味付けはこねくり回さない。シンプルにいれば失敗しないと思います。
複数の素材・調味料を活用しソースを作るとなると難易度は跳ね上がります。
シンプルに味噌だけ、醤油だけ、塩だけ、のようにしたほうがよいでしょう。
またレシピサイトの塩10gなどの分量表示は参考程度にしましょう。使う塩や素材の状態によっても量は前後するので正確に守る意味がない場合が多いと思います。
それよりも味見能力を磨きましょう。味見におすすめなのは木のスプーン、金属だと熱いので直接口付けられませんが木のスプーンは熱くならず味見に最適です。
盛り付け
皿は全てを変える
レストランの盛り付けが格好いい理由の1つは間違いなく食器と皿です。
特に白いデカイ平皿は万能なのでぜひ1つよいものを買いましょう。見た目は一変します。
またカトラリーにもこだわりましょう。特にフォークやナイフなんて壊れようがないので長く使うと考えれば少々高い物買ったほうがいいです。
最初はオーソドックスなものを揃えて徐々に陶器めぐりの旅をしてみるとよいでしょう。
皿を見ながら「こう盛り付けたらかっこいい」と考えて検討するのは楽しいものです。
盛り付けには方程式がある
盛り付けは一定レベルまでは方程式があります。決して芸術センスがないと出来ないことではありません。
盛り付けにはルールがあるのです。これは本を読んで学ぶのとレストランに行った際には写真に記録して後でコピーしてみると上達します。
また自分で行かなくても料理の写真自体は食べログにも大量に掲載されているので真似してみるとよいと思います。
盛り付けはコピーから。
まとめ:料理入門・上達にはロードマップがあり、とても楽しいもの
初心者の方が「料理の上達」というと何をしたらよいのかよく分からない場合が多いのではないでしょうか。
クックパッドや動画サイトを見てやってみてトライアルアンドエラーという非効率的なアプローチかつ、料理の楽しさを発見しづらい状態になってしまう場合が多いように思います。
私のおすすめアプローチとしては上に記載した各ピースの基礎レベルを網羅的に上げること。信頼出来る情報ソースを使うこと(一流料理人の本が最も良い)。
料理はとにかく楽しいです。
- オリジナルを作る楽しさ
- 素材選び・調達の楽しさ
- 職人として腕前上達の楽しさ
- 結果として日々の食生活レベルが格段に上がる楽しさ
- 振る舞う楽しさ
と幅の広い楽しみ方があり、お手軽レシピだけで一生終えるには大変もったいないくらい楽しいものです。
今回「料理をやってみようかな」と考える記事を読んでくださった方が明確なロードマップを持ち料理の楽しさを発見いただければ嬉しく思います!