今回の投稿では料理初心者におすすめのレシピをご紹介します。
というのもWEBを検索し多くの「初心者おすすめレシピ」で表示されるレシピがおすすめだと私は全く思えないからです。
肉じゃが、ハンバーグ、オムレツ、エビチリ・・・全然簡単じゃない。むしろ難関レシピが家庭料理の基本として紹介されていることに大きな違和感を持っております。
Contents
初心者におすすめするレシピの基準
私が考える基準は3点です。
学べる
汎用性が高い料理の基礎を学べるレシピであることがまず1つです。
例えばマヨネーズや市販ソースをぶっかけるだけ、これは確かにある程度美味しいし手軽であるが学びの要素が少なすぎるため対象から除外となります。
出汁のとり方、肉の火入れ、野菜の火入れ、煮物のしみさせ方、煮汁の味付け、魚のさばき方など基礎的な能力を学べる料理である必要があります。
簡単
簡単の基準とは何でしょうか。私が考える以前こちらでご紹介した必要となる料理のコアスキル数が少ないレシピだと考えています。
例えば刺し身を作るなら
・素材選び
・包丁さばき
・素材の切り出し
が必要だが、カルパッチョであればこれに加えて味付けが必要なので難易度が上がると考えます。
勿論刺し身は刺し身の難しさがある、カルパッチョのように味付けで味を修正出来ないので素材選び・切り出し・包丁さばきの腕前が顕著に見えてしまうというではないか、という指摘もごもっともですが、ここでは簡単に考えるため必要なコアスキル数が少ない料理を単純に簡単と定義します。
このように考えると初心者レシピとして紹介される「肉じゃが」は全く簡単でないことがわかります。
肉じゃがには難しい工程が複数含まれています。
・複数素材を適切に火入れする
・出汁を取る
・煮汁を作る
・素材の良し悪しを見極める
まず「複数素材を適切に火入れする」ですがこれすごく難しいです。
玉ねぎ、人参、じゃがいも、牛肉、こんにゃくと全く異なる素材が組み合わさっており正直僕も美味しく作る自信は全くありません。
ここでは料理の基本として「異なる素材は異なる火入れをする」が必要となります。素材を全て混ぜて煮汁で煮ればよいわけではないのです。そうでないとある素材は柔らかすぎ、ある素材は硬すぎのようにムラが発生しまずいごった煮にしかなりません。
次に「出汁を取る」ですが、レシピサイトだと残念ながら「顆粒だしを入れる」で終わらせています。出汁は和食の基礎、最近はdashiが国際語化し英語でも使っているシーンがあるくらいです。
それを顆粒だしなんて!「ミールキットをレンチンする」くらい学ぶものが少ないです。
出汁を自分で取るメリットは単純にウマいという点に加えて出汁をアレンジする楽しさにあります。昆布によってどう味が違うのか、厚削り・薄削りのかつおはどう違うのか、とびうお(あご)で出汁を取るとどうなるか。
永遠に学ぶ重要工程「出汁を取る」、それを「顆粒だし」なんて!
熱くなりましたが、次に煮汁を作る。これも大変難しい。
醤油・出汁・酒・砂糖・みりんは適切な量に調整しないとシャバシャバした甘しょっぱい汁です。煮汁を作るのは結構難しいですよ。
また複数素材を組み合わせて、煮汁で味を付けたら素材の調整はどうしましょうか。どの素材がよかったか、悪かったかわかりづらくなります。自分の欠点が分からない、ただ「まずい」というだけが分かる料理になります。
上を見ていただければ肉じゃがは全く簡単料理ではなく、それどころか高難易度料理であることがわかります。肉じゃがの例を挙げましたが他にも「家庭料理の基本」とされている料理群が本当に初心者用なのかは僕は疑問です。
少なくとも難易度が高く僕にとっても挑戦レシピであるものが多い。
それよりもシンプルにコアスキルを学べる料理を僕はおすすめしたいです。
例えば刺し身、鶏もも一枚焼き、もやし炒め、塩ゆでじゃがいも、さつまいもグリルなどです。
数少ないスキルで出来ますし欠点があった場合も何が悪かったのか分かりやすいです。例えばもやし炒めならほぼ火入れです。
ウマい
塩ゆでじゃがいもてウマいのかよ!と突っ込まれそうですが、ウマいです。
先日さつまいもをオーブンで焼いただけのもの味付けなしで食べましたが激ウマでした。
初心者の料理はシンプルに、素材・調味料数を少なくが鉄則。
基本的にまずくなるのは
・複数調味料・素材をバランスが取れない量で混ぜる
・火入れがおかしい
・素材および素材の切り出しが駄目(スタートから駄目)
あたりが多いのではないでしょうか。これらの失敗を防ぐにはシンプルでいることが鉄則です。肉じゃがのようにじゃがいも・人参・こんにゃく・牛肉・醤油・砂糖・みりん・酒・出汁を使う高難易度料理を避けることです。
高難易度料理は各コアスキルを分解し習得した後に挑むとよいでしょう。
そもそも塩・醤油・味噌、これはそれらがウマいのです。我々がゴチャまぜにして台無しにしなければ自然とウマい料理に導いてくれます。
まとめると初心者におすすめなのは「学べる」「簡単」「ウマい」です。
素材数・調味料数が多いものを避けろが鉄則です。
味見能力が低い内に調味料の量を調整しようとするとドツボにハマりまずい料理が出来上がります。
芋に塩かければウマい。
基本に戻りましょう。
初心者におすすめの料理本
料理本はプロが出しているものを買うべきです。素晴らしいことに一流レストラン・ミシュランスターレストランのシェフは結構本を出してます。
ただ多くはプロ向けなので初心者には全くフレンドリーにかかれておらず価格も高いです(5,000円以上が多い)。その中でも初心者用にかかれている本は大変貴重です。
例えばこちらです。ル・マンジュ・トゥーという有名レストランのシェフが基本を教えてくれます。これは本当に貴重な本!シンプルな料理で重要なポイントを解説してくれます。
プロ向けの本はこちらなどです。ミシュラン3星レストラン常連の龍吟、山本シェフが出版している貴重な本です。料理のコンセプトと工夫した点のみ解説。全く初心者向けではなく、難解です。後高い、7,700円です。ただ慣れてくると「塩10g」のような記載は邪魔でしかなく、このような本が有用です。龍吟本は本当に素晴らしい。
初心者におすすめのレシピ
結論として何を作るべきか、各ジャンルで推奨レシピをいくつかご紹介します。
各レシピの詳細については別コンテンツを作ろうと思いますのでここではヒント程度にとどめます。
イタリアン
にんにくとトマトのパスタ
これはウマい。伝統的に残っているシンプルレシピはウマい。
にんにく・唐辛子の使い方、パスタの茹で方、オイルの使い方を学べます。コンソメに頼らずとも塩で十分ウマい。
カルパッチョ
カルパッチョはウマい。魚のさばき方、素材の切り出し方、マリネソースの使いこなしを学べます。マリネソースの作り方は実に様々ですが、最初はオリーブオイル・レモン・ケッパー・塩・胡椒からはじめるのがおすすめです。
慣れてきたら炙りカルパッチョなんてやってみると香ばしさも足せて楽しい。
アンチョビブロッコリー
ブロッコリーの火入れを学びましょう。これ結構難しいです。適度に歯ごたえを残しながら鮮やかに仕上げるのが野菜の基本。火入れというと肉が注目されがちですが、野菜も火入れによって味は全然違いますよ。
厚切りステーキ
難しそうだと感じると思いますが、肉の火入れは避けて通れません。
こちらのコンテンツで詳細に解説しているので是非御覧ください。
上のリンク先は牛肉だけですが、鳥でも豚でも基本はトングで触ったら内部状態が分かるようになることが理想です。
低温調理は簡単ですがワンパターンな火入れしかできなくなるので是非フライパン・オーブン調理能力を獲得してください!
和食
お吸い物
和食最重要エッセンスの一つ、出汁のとり方を学べます。これもあまり醤油と酒でこねないように。出汁と塩だけでよいくらいです。
出汁を取るというと難しく感じる方もいるかもしれませんが、
・昆布を水に一晩つける
・水が暖かくなったら昆布を取り出す(昆布の粘りが出てしまう、僕は煮立つ前に取り除いてます)
・カツオの厚削りを入れて10分程加熱
これでこして終わりです。難しくない。これに塩入れるだけです。
味噌チキン
やや難易度上がりますが実にウマいレシピなので紹介させて下さい。我が家の人気No1メニュー定番です。作り方は簡単、味噌をみりんで伸ばした地に筋切りしたもも肉を一晩付けます。そうするともも肉から適度に水分が抜けて凝縮した状態になる。
これをオーブンでグリルする。20分程200度でグリルし、5-10分休ませてます。
ネギもオーブンに投入し10分程グリルして最後に添えるとよく合う。
最後は山椒を散らします。実に美味しい。
もやし焼きそば
和食なのか微妙ですが、もやしの火入れを学びましょう。焼きそばのコツ、それは素材を少なくすることです。野菜や肉の種類を増やせば増やす程難しい。
もやしは60-90秒で短時間で火を入れる。また野菜炒めのコツは混ぜすぎない。ある10-20秒は放置し、一度混ぜる感覚です。
漬物
漬物最高。簡単作り置き出来る。ローカロリーおかず、そしてウマい。
よく作るのはきゅうり、ナス、キャベツなどの漬物です(別々)。
漬物を作るようになってからスーパーでパックの漬物を買う理由が全く分からなくなりました。
インド料理
インドかよ!とツッコミ入りそうですが、幼少期をインドで過ごしたのでずっと好きです。紹介させて下さい。インド料理の前提として基本スパイスを揃えること。ガラムマサラ、クミン、コリアンダー、ターメリック、カイエンペッパーは是非持っておきたいですね。
野菜カレー
インドは実はベジタリアンが多く肉をあまり食べません。後意外と言われるのがナンもあまり食べません。普段食べるのはチャパティと呼ばれる全粒粉のパサパサしたパン(発酵はさせない)です。日本だと巨大なもちもち白いバター塗りナンは日本人の好みにローカライズした結果なのではないでしょうか。
さて、野菜カレーの作り方は簡単です。
・玉ねぎを飴色になるまでじっくり炒める
・スパイス、バター、ヨーグルトを入れる
・別にグリルした野菜を乗せる
これで終わりです。トマトを入れる場合もありますが、トマトは甘み・酸味・旨味が強くbefore トマト、 afterトマトで別の料理になるので慎重になりましょう。野菜カレーでインドスパイスを使う楽しさに気づいてもらえるのではないでしょうか。
タンドリーチキン
正確に言うと日本の家庭にタンドール窯があるわけないのでスパイスチキンです。これも簡単でスパイス、ヨーグルトに鳥もも肉を付けてグリルで焼くだけです。スパイスへの漬け込み、鳥もも肉の火入れについて学べるでしょう。
シンプルな料理を始めよう
今回のキーポイントとしては以下の2点です。
・初心者向けレシピで紹介されているものの多くは全く初心者向けじゃない
・素材・調味料数が少ないシンプル料理でコアスキルを獲得すべき
ゴチャまぜのドツボにはまらず料理の腕前を上達させましょう!